銅インレイ・メタル・アルミ基板などを代表とする
放熱基板は優れた放熱性を誇るため、
発熱量を抑えたい場合に重宝されています。
特に大電流が求められる場合などは、
ユーザーへの安全面・信頼性の確保や、
電子機器の性能のために
この放熱基板が必要不可欠ともいえます。
そんな放熱基板ですが、
放熱性が高いといった特性があるが故に、
実装時の熱の伝わり方は、通常の基板と全く異なります。
そのため、放熱基板の開発を行う際には、
放熱基板特有のポイントを押さえておく必要があります。
そこで、今回はスピーディーに高品質な放熱基板を
開発するためのポイントを
①基板見積、②回路・基板設計、③基板実装に
分けてご紹介します。是非、ご確認下さい。
その1)”基板見積”におけるポイント
例えば、放熱基板の見積を行う際には、
部品リスト、部品点数、基板の外形、基板の仕様、基板の数・種類、実装の有無 …etc
と多くの情報が必要となります。
しかし、スピード感が求められる放熱基板の開発案件の場合は、
『細かな情報を集めている時間がない!』
といった場合もあるかと思います。
そんな困った時にはどうすればよいのでしょうか?
その2)”基板設計”におけるポイント
上述の通り、放熱基板は放熱性に優れているが故に、
実装時には、「熱が逃げてしまい、はんだが溶けない…」
といった事態に陥ることがあります。
こういった事態に陥らない為にも
放熱基板特有の設計ポイントを押さえておく必要があります。
そんな放熱基板に関する設計ポイントをご紹介します。
>>厚銅基板の品質トラブルを回避するため、押さえておきたい設計ポイント
その3)”基板実装”におけるポイント
「上述の放熱基板における設計ポイントを押さえた上で、
無事設計が完了し、実装工程に渡せた。。」
といった場合でも、
「実装トラブルで実装が止まった!」
なんて事態に陥る可能性があります。
そんな事態に陥らないための実装ポイントをご紹介します。
>>基板設計者も必見!試作時の実装トラブルを未然に回避する方法
いかがでしたでしょうか。
なお、アート電子では、
”スピーディー”に高品質な放熱基板をご提供するために、
上記のようなサポートに加えて、下記の取り組みを行っています。
1.豊富な実績・ノウハウに基づき、スピーディーに温度プロファイル条件を最適化
放熱基板は放熱性に優れているため、通常の基板とは、
最適な温度プロファイル条件が全く異なります。
そのため、一般的に放熱基板の実装を行う際には、
まず、実装データを取得し、最適な温度プロファイル条件を模索します。
しかしながら、この方法では、
どうしても温度プロファイル条件の最適化に時間を要します。
当社では、これまでの豊富な実績から構築したノウハウに基づき、
データ取得後、基板厚・配置部品・基板構成などを総合的に判断し、
迅速かつ正確に温度プロファイル条件を最適化することが可能です。
さらに、当社は1日で複数種の開発品(放熱基板を含む)の実装を行っているため、
プロファイルの切り替えもスムーズに行うことができます。
2.不良データのフィードバックで実装条件を最適化
例えば、お客様より量産基板を想定した温度プロファイル条件をご指定いただいた際、
放熱基板の特性をきちんと考慮できていなければ、
「はんだが溶けていない…」など予期せぬ不良につながる恐れがあります。
その点、当社では、温度プロファイル条件をご指定いただいたとしても、
どれだけ不具合(はんだボール、はんだフィレット等)が発生したかを
ご要望に応じてお客様に報告することが可能です。
これらの取り組みにより、発生した不具合を基に
温度プロファイル条件、はんだ印刷条件を含む、実装条件を適正化し、
放熱基板の実装トラブルを回避します。
こういった実装工程での工夫はもちろん、
回路・基板設計工程でも放熱基板の特性を押さえた上で開発にあたっています。
放熱基板の設計・実装も、ぜひ安心して当社にお任せください。