近年、電子機器の小型化や軽量化、高性能化が飛躍的なスピードで進んでおり、
プリント基板において、高速化、低ノイズ化、発熱対策等を考慮した
高品質な基板設計が求められています。
こういった要求に対応するためには、優れた基板設計技術はもちろん、
最適な基板設計にする伝送線路シミュレーションの活用も必要不可欠です。
しかしながら、とにかくシミュレーションを活用すればいいというわけではなく、
設計内容などを鑑みた上で、最適なケースで活用することが非常に重要です。
必要ないケースでシミュレーションを活用してしまうと、
「シミュレーションの工数が無駄だった…」
「設計期間が長期化してしまった…」
といった事態に陥る可能性もあります。
そこで、今回は”SI解析”に焦点を当て、
どのようなケースでSI解析を活用すべきか
具体的な検討ポイントをご紹介します。
少しでも興味を持っていただけましたら、
是非最後までご確認ください!
(※SI解析の概要については、下記記事にて説明していますので、
ご興味のある方は、ご確認ください。)
検討ポイント①:パターン配線が複雑である、レシーバ(接続負荷)が複数ある
設計スペースの制約もありパターン配線が複雑である、もしくは、
レシーバ(接続負荷)が複数ある といったケースでは、通常通り基板設計した後、
実機検証を行うと「想定通りに動かない…」といったことが発生する懸念が高いです。
そのため、上記のケースでは、設計の手戻りをなくし、
より効率的な配線を明確化するため、SI解析の活用を検討すべきといえます。
検討ポイント②:ドライブ能力(駆動能力)が高い or 低い
ドライブ能力(駆動能力)が低い場合は、動作不良が起きる懸念があります。
一方で、ドライブ能力が高い場合は、オーバーシュートが発生する可能性があります。
これらの懸念事項を解消するため、ドライブ能力(駆動能力)が高い、もしくは
低い という場合には、SI解析を活用して実機製作前に動作不良や
オーバーシュートの懸念がないかを確認することが重要です。
検討ポイント③:ドライブ能力(駆動能力)が高い or 低い
冒頭でもご紹介した通り、近年では、電子機器の高速化の需要がより高まっています。
それに伴い、クロック周波数も、数百MHzといったケースも
多くあります。クロック周波数が100MHz以上になると、
動作不良など予期せぬ問題が発生する可能性が高くなります。
そのため、クロック周波数が100MHzを超えている場合には、
配線長を鑑みた上でSI解析を検討すべきであるといえます。
以上が、SI解析の活用を検討すべきポイントとなります。
ただし、上記において注意すべき点はその他の要素も鑑みた上で、
シミュレーションの活用を検討するということです。
例えば、レシーバ(接続負荷)が複数あったとしても、
ドライブ能力が高かったり、配線を上手に引けていれば、問題は起きにくくなります。
また、ドライブ能力が低くても、レシーバが少なく配線が短い場合、動作不良となる可能性は低くなります。
つまり、検討ポイント①②③のそれぞれに焦点をあてて鑑みるのではなく、
それぞれのポイントと関連する要素を考慮した上で、
SI解析の利用を検討することが重要なのです。
基板設計シミュレーションならアート電子にお任せください!
SI解析は、
・基板設計前に行う、プリシミュレーション
・基板設計中に行う、ポストシミュレーション
がありますが、アート電子では双方に対応しています。
また、SI解析のみならず、プレーン共振解析や
EMIチェックなどのシミュレーションにも対応しております。
お客様のご希望に合わせて最適なシミュレーションを実施し、
高品質な基板設計をサポートいたします。
基板設計・開発に関するお困りごとがございましたら、
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ご興味をお持ちの方はぜひご一読頂ければと思います。
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