シミュレーション(SI解析)の活用を検討するポイント

3

近年、電子機器の小型化や軽量化、高性能化が飛躍的なスピードで進んでおり、

プリント基板において、高速化、低ノイズ化、発熱対策等を考慮した

高品質な基板設計が求められています。

こういった要求に対応するためには、優れた基板設計技術はもちろん、

最適な基板設計にする伝送線路シミュレーションの活用も必要不可欠です。

 

しかしながら、とにかくシミュレーションを活用すればいいというわけではなく、

設計内容などを鑑みた上で、最適なケースで活用することが非常に重要です。

 

必要ないケースでシミュレーションを活用してしまうと、

「シミュレーションの工数が無駄だった…」

「設計期間が長期化してしまった…」

といった事態に陥る可能性もあります。

 

そこで、今回は”SI解析”に焦点を当て、

どのようなケースでSI解析を活用すべきか

具体的な検討ポイントをご紹介します。

 

少しでも興味を持っていただけましたら、

是非最後までご確認ください!

 

(※SI解析の概要については、下記記事にて説明していますので、

  ご興味のある方は、ご確認ください。)

>>SI解析について

 

検討ポイント①:パターン配線が複雑である、レシーバ(接続負荷)が複数ある

 

設計スペースの制約もありパターン配線が複雑である、もしくは、

レシーバ(接続負荷)が複数ある といったケースでは、通常通り基板設計した後、

実機検証を行うと「想定通りに動かない…」といったことが発生する懸念が高いです。

 

そのため、上記のケースでは、設計の手戻りをなくし、

より効率的な配線を明確化するため、SI解析の活用を検討すべきといえます。

 

検討ポイント②:ドライブ能力(駆動能力)が高い or 低い

 

ドライブ能力(駆動能力)が低い場合は、動作不良が起きる懸念があります。

一方で、ドライブ能力が高い場合は、オーバーシュートが発生する可能性があります。

 

これらの懸念事項を解消するため、ドライブ能力(駆動能力)が高い、もしくは

低い という場合には、SI解析を活用して実機製作前に動作不良や

オーバーシュートの懸念がないかを確認することが重要です。

 

検討ポイント③:ドライブ能力(駆動能力)が高い or 低い

 

冒頭でもご紹介した通り、近年では、電子機器の高速化の需要がより高まっています。

それに伴い、クロック周波数も、数百MHzといったケースも

多くあります。クロック周波数が100MHz以上になると、

動作不良など予期せぬ問題が発生する可能性が高くなります。

 

そのため、クロック周波数が100MHzを超えている場合には、

配線長を鑑みた上でSI解析を検討すべきであるといえます。

 

 

以上が、SI解析の活用を検討すべきポイントとなります。

ただし、上記において注意すべき点はその他の要素も鑑みた上で、

シミュレーションの活用を検討するということです。

例えば、レシーバ(接続負荷)が複数あったとしても、

ドライブ能力が高かったり、配線を上手に引けていれば、問題は起きにくくなります。

また、ドライブ能力が低くても、レシーバが少なく配線が短い場合、動作不良となる可能性は低くなります。

 

つまり、検討ポイント①②③のそれぞれに焦点をあてて鑑みるのではなく、

それぞれのポイントと関連する要素を考慮した上で、

SI解析の利用を検討することが重要なのです。

 

基板設計シミュレーションならアート電子にお任せください!

 

SI解析は、

・基板設計前に行う、プリシミュレーション

・基板設計中に行う、ポストシミュレーション

がありますが、アート電子では双方に対応しています。

 

また、SI解析のみならず、プレーン共振解析や

EMIチェックなどのシミュレーションにも対応しております。

 

お客様のご希望に合わせて最適なシミュレーションを実施し、

高品質な基板設計をサポートいたします。

 

 基板設計・開発に関するお困りごとがございましたら、

是非お気軽にお問い合わせください。

 

ご相談・お問い合わせはこちら

 

また、当社ではその他の多数の技術情報をWEBサイトにアップしていますので、

ご興味をお持ちの方はぜひご一読頂ければと思います。

 

■ ノイズ対策に有効なシミュレーション~プレーン共振解析編~

 

■ ダンピング抵抗値による波形の違い

 

■ ダンピング抵抗の位置による波形の違い

 

■ 電源プレーン共振解析

 

■ 信号波形シミュレーション