パターン設計後に、配線については問題ないが、
部品配置など配線以外のミスの見落としに気づき、
頭を悩ませたことはありませんか?
設計を始めたばかりのエンジニアの方はもちろん、
経験豊富な方であっても、こういったケースは時折あると思います。
配線以外の初歩的な設計ミスにより、
「後から設計修正が必要になった…」
「ノイズ・発熱などトラブルが発生した…」
なんて事態に陥ると
無駄な設計工数がかかり、非常に煩わしいですよね。
そこで、今回は基板設計エンジニアの皆様に向け、
パターン配線以外の初歩的な設計ポイントについて
お伝えしたいと思います。
見落としがちな設計ミスを5つご紹介しますので、
少しでも興味を持っていただけましたら、
是非最後までご確認ください!
ポイント①:熱に弱い部品(電解コンデンサ等)は熱源から離して配置する
電解コンデンサやLEDなどは、
電源回路など発熱する部品の近くに使用されることが多くあります。
しかしながら、これらの部品は熱に弱いため、
熱の影響を受けやすい場所に配置すると、
劣化が早まり寿命が短くなったり、部品によっては
熱暴走につながったります。
そのため、パターン設計時、熱に弱い部品は
熱の影響の少ない最適な場所に配置することが非常に重要です。
具体的な事例について、下記にて解説していますので、
是非ご確認ください。
ポイント②:ねじ径だけではなく、ねじ頭のサイズも考慮する
基板上にねじ止めが想定されている部分があった場合、
ねじの径を考慮して、パターン設計しているが、
ねじ頭のサイズを考慮していないといったケースがよくあります。
ねじ頭のサイズを考慮できていないと、
実際にねじ止めをした場合、パターンと接触し、
様々なトラブルへとつながってしまいます。
パターン設計時にはねじの径だけではなく、
必ずねじ頭のサイズを考慮した上で、
部品の配置・パターンを引くようにしましょう。
ポイント③:実装部品の基板接触部に注意する
基板に実装される部品の形状は様々ですが、下記画像のように部品の一部(ケース)が
金属となっていて両端などが、基板に接触する部品形状の場合があります。
こういった場合、実装部品の両端の下にパターンを引いてしまうと、
パターンと金属部分が接触してしまいます。
すると、ポイント①と同様に
配線のショートなど重大な問題につながります。
そのため、パターン設計時には、上記のような部品形状があることを
念頭に置き、部品形状と配線パターンを細かくチェックすることを推奨します。
絶対に金属部分とパターンが接触しないよう、対策を行いましょう。
ポイント④:パスコンは回路図指定の電源ピンに接続する
ノイズ対策を目的とした電源ピンとパスコンの接続において、
下記画像の通り、回路図では20ピンが電源ピン(VCC)と指定されている一方で、
2ピン(未使用)もフロート状態にならないよう、電源に接続されているとします。
このような場合、電源ピンでないにもかかわらず、
電源に接続されているからという理由で
誤ってパスコンを2ピンに接続してしまうといったケースがよくあります。
しかし、上述の通り、2ピンは電源ピンではなく、
未使用のピンを電源に接続しているだけであるため、
パスコンを接続してもノイズ対策の効果を果たすことができません。
このような事態を防ぐために、
電源に接続されているピンだからという理由だけで
パスコンを安易に接続せず、必ず回路図指定の電源ピンに接続するよう注意を払いましょう。
ポイント⑤:トグルスイッチとスライドスイッチを混同しない
スイッチ部品には様々な種類がありますが、
混同してはいけないのが、トグルスイッチとスライドスイッチです。
スライドスイッチはレバーを倒した方向と
同方向のピンがONとなる一方で、
トグルスイッチはレバーを倒した方向と
反対方向のピンがONとなります。
これらの違いを押さえておかないと
OFF側のピンをON側のピンと誤認し、
他部品と接続してしまうなどの恐れがありますので、
注意しましょう。
アート電子では、パターン配線以外の部分にも考慮した設計を行います
当記事をお読みいただき、ありがとうございます。
実際のパターン設計時にこの情報を思い出していただき、
設計ミス防止の一助になれば、非常に嬉しく思います。
ちなみに、アート電子ではもちろん
これらの配線以外の基礎的なポイントを押さえた上で、
ノイズ・発熱などに最大限配慮したパターン設計を行います。
さらに、パターン設計のみならず、
回路設計〜部品実装まで一貫して対応しております。
パターン設計のご要望がございましたら、
お気軽にアート電子にご相談ください。
また、当社ではその他の多数の技術情報をWEBサイトにアップしていますので、
ご興味をお持ちの方はぜひご一読頂ければと思います。
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