これまで様々なコラムでノイズ対策についてお伝えしてきました。
今回は、そんなノイズ対策の中でもESD対策に焦点を当て
押さえておくべき2つのポイントをご紹介します。
ESD対策のポイントを押さえてないと、
電子部品へのダメージや、電子回路の誤動作へとつながる恐れがあります。
こういった事態に陥らないためにも、
当技術情報を最後までお読みいただき、実際の設計時にお役立てください。
その1)ESD保護ダイオードはESD侵入源近くに配置する
回路を静電気から保護する目的で使用されるESD保護ダイオードは、
保護したいICの配線上ならどこかに接続すればよいという事ではありません。
例えば、上記の例では、保護したいICの近くに配置していますが、
これでは想定した能力を得ることはできません。
配置する位置が重要になります。
ESD保護ダイオードの保護能力を最大限発揮させるためには
コネクタなどのESD侵入源近くに配置する必要があります。
上記の様に、コネクタなど侵入源に出来るだけ近く配置する事で
保護能力を発揮させ、回路への影響を小さくします。
これにより、電子部品へのダメージや、電子回路の誤動作を防ぐことができます。
>>詳しくは『ESD保護ダイオードはESD侵入源近くに配置する』をご覧下さい。
その2)ESD保護ダイオードの配線ラインに注意する
回路を静電気から保護する目的で使用されるESD保護ダイオードは、
配線ラインに気を付ける必要があります。
例えば、上記の例ではESD保護ラインと保護されていないラインが並走して配線されています。
(※上記の赤いラインが、ESDダイオードで保護されている外部からの信号になります。)
ESD保護されたラインですが、外部からの信号となりますので
このように並走して近くに配線にするとESD保護がされていないラインは
ノイズの影響を受けやすくなります。
ESD保護ダイオードを使用して配線する場合、上記の様に
①素子を通過するように配線し、
②保護されたラインに他のラインを近づけないようにします。
特に、上記黄枠内のコネクタとESD保護ダイオードまでの部分は、
ESD保護前であるため、他のラインを近づけないよう
細心の注意を払う必要があります。
このように、ただESD保護部品を使用するだけでは
想定したノイズ除去効果を得ることはできません。
そのため、上記の例のように他の配線も考慮し、
部品配置やパターン設計を行なうことが重要となります。
>>詳しくは『ESD保護ダイオードの配線ラインに注意する』をご覧下さい。
今回は、『簡単にできるノイズ対策〜ESD保護のポイント〜』についてご紹介しました。
当社では、その他の多数のノイズ対策情報をWEBサイトにアップしていますので、
ご興味をお持ちの方はぜひご一読頂ければと思います。
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