動作不良が起きた際の基板改造の緊急対応依頼は、
デバイスの入手困難もあり、昨今依頼が増えています。
先にお伝えすると、動作不良をゼロにすることは困難です。
『回路間違い』『乗数が合っていない』ようなヒューマンエラーは、
第三者によるダブルチェックやDRを行っても防ぎきれないからです。
さらに回路規模が大きくなればなるほど、
チェックする箇所も多くなり、結果としてエラーが起こる可能性は高くなります。
したがって発生することを想定した上で、
あらかじめ改造の選択肢を知っておくことが必要です。
そこで今回ご紹介するアート電子の改造パターンを参考に、
ぜひ外注先様に基板改造を指示する際にご活用してください。
基板改造提案 その1)
ピン配を間違えた基板を、すぐに改造して納品して欲しい。
設計者がピン配を間違えてしまうことは少なくありません。
仕様書に書いてあるピン配をそもそも読み間違える場合や
ピン番号を他のメーカーと勘違いしたといった問題が挙げられます。
ただこれらのヒューマンエラーは第三者によるダブルチェックや
DRを行っても防ぎきれないので、起きた時にどのように対処するかを知っておくと、
スムーズに基板改造の指示を行うことができます。
通常、ピン配を誤って行ってしまった場合の改造は、
パターンカット・ジャンパー配線にて対応しますが、
実は、別の方法で簡単に行えることもあります。
その方法とは・・・
>>詳しくは、ピン配を間違えたが、簡単に基板改造したい。 をご覧ください。
基板改造提案 その2)
改造で使用するジャンパー配線を最小限にして欲しい。
基板改造はジャンパー配線・パターンカット・リワークが主な作業です。
中でもジャンパー配線は接続する回路同士を確認しながら
最適な長さに調整するため、大掛かりな作業となります。
ただ一見複雑に見える実装基板でも、
ジャンパー配線に頼らずとも、別の方法で基板改造が完結でき、
改造に要する時間を短くできるケースもあります。
その方法は・・・
>>詳しくは、複雑なジャンパー配線をせずに基板改造を行いたい。 をご覧ください。
基板改造提案 その3)
ビルドアップ基板をパターンカットして欲しい。
基板改造はお客様から詳細のご指示を頂いた上で行うのが一般的です。
当社ではもちろんご指示通りに行うことも可能ですが、
より効率の良い配線を考えた積極的なご提案を行っています。
例えばビルドアップ基板などの高密度な基板は、
隣接するパターン同士および下層のパターンとの距離が近いため
パターンカットを行う際には他の配線も切ってしまうリスクが生じます。
したがって、本当にパターンカットを行うべきかはよく吟味する必要があります。
当社では、まずこの基板ではパターンカットが厳しいと判断した際に、
頂いた回路図とパターン配線図からパターンカットしない改造を再検討します。
そして検討した結果、パターンカットをしなくともICを別の場所に配置し、
ジャンパー配線でつなぐことで安定的に動作することが確認でき、採用に至りました。
今回の3事例の他に、現状の基板への回路追加に対する提案事例など、
アート電子では様々な改造依頼に対して、柔軟に対応出来ることを強みとしています。
当社の基板改造・基板改修に必要な高いスキルを持ったスペシャリストが、
スピーディかつ確実に基板改造を実現します。
1台単位の小ロットはもちろんのこと、100台程度の纏まった数量でも、
スピーディかつ確実に基板を改造しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
またYouTubeにて基板改造の部品の追加、部品の交換、回路の修正等を
ご紹介しておりますので、こちらもぜひご視聴ください!
>>詳しくは、アート電子試作開発支援チャンネルの
基板改造させていただきます! をご覧ください。
なお、アート電子では実際の基板改造の提案事例と
当社に寄せられるご質問をWEBサイトにアップしていますので、
そちらの方もぜひご一読頂ければと思います。
■ 基板が動作しない!そんな時、リワークって解決できるのか?
■ QFPのリード部分にコンデンサをつけることはできますか?
■ 基板が筐体に組み込まれているのですが、そういったものも基板改造できますか?